「鎚起(ついき)」とは、「鎚」で打ち「起」こすという意味で、1枚の金属の板をさまざまな鎚で打ち起し、器などを作り上げていく鍛金の技術のことです。新潟県燕市で鎚起、打物銅器を製作する富貴堂当主の藤井宏さんは、富貴堂の二代目。父親から教わったその技はいま、息子の健さんへと受け継がれています。銅の熱伝導率はアルミの2倍、鉄の5倍。鎚で丁寧に叩いて作り上げられた表面の凹凸が、表面積を広げるため、その熱伝導性はさらによくなります。また、叩き鍛える鍛金の技法によって地金の強度も増します。
銅の表面に錫を塗って焼付けると、金色(シャンパンゴールド色)になります。 表面は硬く丈夫になり、色もあまり変化せず汚れも付きにくくなるのが特徴です。