「鎚起(ついき)」とは、「鎚」で打ち「起」こすという意味で、1枚の金属の板をさまざまな鎚で打ち起し、器などを作り上げていく鍛金の技術のことです。新潟県燕市で鎚起、打物銅器を製作する富貴堂当主の藤井宏さんは、富貴堂の二代目。父親から教わったその技はいま、息子の健さんへと受け継がれています。銅の熱伝導率はアルミの2倍、鉄の5倍。鎚で丁寧に叩いて作り上げられた表面の凹凸が、表面積を広げるため、その熱伝導性はさらによくなります。また、叩き鍛える鍛金の技法によって地金の強度も増します。富貴堂の茶筒は、たいへん丈夫なだけでなく、外筒と中筒の二重構造になっていて気密性も抜群。茶葉が湿りにくく、緑茶や紅茶を保存するのに最適。煎茶なら約100g入ります。
アラシ肌とは一般的に「ザラザラ」した表面のことを言います。金鎚にいろんな模様を彫って(または付けて)、叩くとその模様が品物に付きます。その模様は使い込んでいくうちに、表面の凸凹がハッキリと出てきて、何とも言えない味わい深い表情になります。
【茶筒の開け方】茶筒の上筒をまっすぐ上に引き上げてください。
【茶筒の閉め方】上筒のビョウ(銀色)の部分が下筒のビョウの部分より少しだけ左側にくるように持ち、まっすぐ上筒をおろします。上筒を右に回し、下筒のビョウと合わせます。「カチッ」と音がして閉まります。
※茶筒のできるだけ回さずに開け閉めすることがコツです。