江戸友禅師（東京手描友禅）である大槻明彦の手による一点ものの描絵の扇子です。扇面に描かれたのは、冬から春にかけて可憐な花をつける水仙。水仙の原産地は地中海沿岸。水仙はギリシャ神話に出てくる美少年ナルキッソスの生まれ変わり。ナルキッソスは水鏡に映った自分の姿に恋をし、その恋がかなわなくて憔悴して死んでしまいます。だからいまも、水辺で自分の姿をのぞき込むようにうつむいて咲くのだそうです。裏面にも描絵が施され、使っていて楽しい１本。唐木の骨で、すっきりとした風合いに仕上げました。
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